人材紹介会社で働くということ:キャリアアドバイザーとは
しばらく、人材紹介会社で働く我々にとって転職市場はぼろ儲けになりそうなので人材紹介会社で働くことはどんなことか書こうと思う。
どうせブログだのメディアだのいいこと書いているものは【人の人生を指南することができるからやりがいがある】とか、【人に関わることで自分も成長できる】とあるだろう。
ばかなんですか?そんなわけあるわけない。
もちろん人にとってはやりがいのある仕事なんだろうとはお察しいたしますが、はっきりいって人のことを商品としかみなせなくなってしまうし、朝は早く夜も非常に遅い。私の所属する会社はフルフレックス制度をひいているため、好き勝手できるのだがそうじゃない会社の方はすごいと思う。はっきりいってあんなもん善人かドMの人じゃないと務まらない。
人材会社にもよるが、両面と呼ばれるキャリアアドバイザーと企業側(営業)を同時に行う場合、尋常じゃなくハードモードとなる。
キャリアアドバイザーと呼ばれる人材側のみを担当しているのであれば、朝早く夜遅く、とにかく人材(商品)にあわせて行動をする。
人材がお昼にランチをたべながら面談をしたいというならそれにあわせるし、外面談がしたいとわがままを言えばそれにあわせる。
20時スタートがいいというならそれにあわせてやるし、朝9時からがいいと言われたらもちろんそこにあわせる。
キャリアアドバイザー(笑)と呼ばれるが、営業である。
彼らの使命はその人のキャリアのアドバイスをすることではなく、そいつのいけそうな会社により高い値段で入ってもらえるように仕向けるお仕事だ。
キャリアアドバイザーの人材獲得方法は主に3つある。
1つは自社サイトに流入してくる人材を捕まえる方法だ。これが一番手っ取り早く、決まりやすい。
2つめはスカウトサイトと呼ばれる大手人材企業のデータベースをお借りして、ひたすら自社にはいない人材を自社に登録すべくスカウトメールを打ち続けることだ。これに関してはただの確率論だ。毎日コツコツ積み上げるしかないと思われる。
最後、3つ目は知人紹介といわれるもの。
お友達、ご家族、決定人材からの紹介など多岐に渡ります。
こうしてコマを増やし続け、人材に会う。自分の思い通りの企業を受けさせ、思いのままに内定を受諾させることがお仕事だ。
一人あたりにかける時間は非常に大きい時もあるし、小さい時もある。
ただ、やみくもに何人も会っても意味がない。
人材が面接を受けにいかなかったり、ばっくれられた日には死にたくなる。
なんでだよ!!!!!!!!!なんて怒鳴ることはできない。
なぜならその人材に電話をしても着信拒否や電源を切られているなど、現代人ならではのシラの切り方をされるからだ。
だからこのモヤモヤを解消することはできないので、次の人材を探す。
終わりはばっくれられたか、他の会社で内定を受諾されたとき、そして我々の手で
内定を受諾させることに成功した時が終わりだ。
人材紹介というのは売り切りのビジネス。その人材を何度も売ることはできない。
もちろん、決まってよかったね!おめでとう!!と言える時は非常に嬉しいし、やってやった!!!感があるのは否めない。
だがしかし、これが決定=内定受諾をしないと本当に死にたくなるしこいつを脅迫して受諾させてやりたい、と思うほど精神的に辛くなる。
総じて、「嫌だ」という人を「はい」と言わせる仕事というのがキャリアアドバイザーのお仕事である。
では、キャリアアドバイザーに期待をせずに自己応募をすることが正しいのか?
というと、そういう訳ではない。
もちろん自己応募したほうが受かる可能性は高いこともあるだろう。
キャリアアドバイザー=人材紹介会社を挟むことの最大のメリットは2つある。
1つ目は、お前がどんな仕事をするべきかわからない場合や、自己応募で会社を探しきれない場合には勝手ながらご提案をさせていただく。
そのため、その中からお前が好きなお仕事を選べばいいだけだ。完全な受け身でお前は年収があがったり、希望の業界にいくことができるのだ。
2つ目は、いきたい会社が明確にある場合。しかし該当ポジションがネット上に出回ってないもしくは自分の力で受かる自信がない場合には、キャリアアドバイザーが勝手に当該企業担当と相談の上、推薦分を添えた上でお前を企業に売り込むように企業担当と策略する。
以上だ。
メリットがないわけではないし、大抵の、特に、若い人に限ってはやることややりたいことなんてない人が非常に多い印象を受けるので使うことをおすすめする。
しかしながら、キャリア【アドバイザー】という言葉に惑わされるな。
アドバイザーではなくお前の将来を金で売っているわけだから、キャリアアドバイザーを選ぶ時は慎重に。
いい企業ばかり出してくるやつがいる場合は特に注意をする必要がある。お前がいいご経歴(職歴を刻んでいない、学歴がまともであるなど)でない場合、キャリアアドバイザーのKPIと呼ばれる月に達成しなくてはいけない数字のための手伝いをさせられている可能性があるからだ。
利用するのか、利用されるのかはお前次第である。
しかし、絶対にアドバイザーという肩書きがついているからといってお前の将来のアドバイスをしてくれることを絶対に期待しないように。
我々はお前のことを商品としか思っていないし、そうでなければ喋るガラクタであるとしかみなしてない。
そしてこの仕事を人助け!とか、社会貢献!とかいうバカ野郎どもが蔓延しているが、そんないい仕事ではない。
もしも本当に人助けをしたいならNPOやらサークルやら、自主的な活動をしてくれ。
我々人材会社に期待を決してしてはいけない。
我々の使命は売り上げを達成することであり、お前の将来についてアドバイスすることではないのだから。