人材紹介会社で働くということ:営業(RA)とは
人材会社において営業とはRAと呼ばれる。
RAとはなんの略かというと、Recruiting Advisorの頭文字をとっている。
企業の潜在的な課題を抽出し、それに見合う人材を提案する。
こういうと聞こえがいいことだろう。
ただ一般的な人材会社で営業担当は何をしているかというと、ひたすらテレアポをしている。『いつもお世話になっております。**社の**ともうします。採用担当の**さん、いらっしゃいますか?』**さんは適当にいう。山田でも高橋でも佐藤でもいい。とにかく、間違えちゃった!そうだ、佐藤さんじゃなくって秋元さんでしたね!といってさも知り合いのようであるかのように担当者につないでもらう。
まあまあこのご縁でございますし、一度お打ち合わせしておきましょうか?今週と来週どっちがいいでしょうか?今週ですねーじゃあ、水曜と木曜どっちがいいですか?木曜、じゃあ、午前と午後ならどちらがよろしいでしょうか。。。。。。
このような具合でとにかくアポをとる。中途採用やっていることを前提に。
そして、あなたの会社これから営業とるでしょ?必要だよね?そうだよね?
I社の媒体で求人だしてるんだから、いるでしょ?うちからも提案してやってもいいよ?と人事担当者に無理やり押し込む。年収の数10%を頂くお約束を取り付ける。
IT業界の経験者必須っていってるけど、そんなやつ御社になんていかないんですよ。もっと魅力的な会社にいっちゃうんですよ。なんで、無形商材の営業経験があればいいよね????職歴は4社くらいなら刻んでてもいいよね???
このような具合で人選条件を緩和しまくり、まずは社内に持ち帰ります。
企業の潜在的な課題なんて知ったこっちゃないし、彼らがほしい!と思う人材を、いかに目線を下げるかということに注力します。
そしてその求人票を作成。人選のポイントを内勤のCAどもに共有するわけだ。
ここで社内調整が必要になってくる。
無能なCAに頼むと女性必須となっているオーダーにもかかわらず平気で男性をあげてきたり、20代限定と書いているのに30代をあげてきたりする。
ばかの相手をしてはいけないのである。
とにかく自分というRAを好きでいてくれてるCA、もしくはその業界に詳しいCAにオーダーの共有をし、いち早くオーダーに人をあげてもらう=候補者からの応募をとってもらう必要があるのである。
優秀なCAはすでにどっかのRAにとられているので、自分のパートナーになりそうなCAがいない場合には自力でマッチングをするか、できない場合には優秀になり得る、もしくは自分のことを好きでいてくれるCAを使うしかない。
とにかく人をあげることを最優先とする。なぜならどんなにいいオーダーであったとしても、応募する人がいないことには意味がないからだ。
オーダーの獲得、そして人を企業の人事担当者にご提案する。
こういう人でもいいですよね?とにかく会ってくれませんかね?と。
あってくれると了承してくれたのもつかの間、気がついたらあれよあれよと良いことしか言わないから最終面接にいってます。
最終面接前にRAがする必要があるのは候補者へ年収の確認。これくらいだしたらいくよね?と。そして企業にも、昨日の時点ではこれくらい年収あればいくと言ってますけど、いかがでしょうかとお伝えします。
そしてようやく実って内定!
候補者がごねる場合もありますが、そんなことは知ったことではない。
好きにしろ!とは言えないが、できる限り寄り添う。今まで、お前のためにいろいろ寄り添ってやったよね?お前じゃこの企業の内定ひとりで取れなかったよね?受諾するよね?と、CAと一緒になって受諾させるように仕向けます。
晴れて候補者が内定受諾します!といったらしめたもの。
その後は企業にお伝えし、任務完了。とまではいかない。受諾後の辞退を防ぐためにも、アフターフォローは徹底する。そして入社後3〜6ヶ月で辞められてしまってもそれもまたそれで返金をする必要があるので、これまたアフターフォローを徹底するしかないのである。
3〜6ヶ月の返金規定がすぎたら晴れて自由!候補者のことなんて忘れ、次にいく。
基本的に人材紹介ビジネスとは、売り切りなので3〜6ヶ月の返金猶予の期間が過ぎたらそいつらなんて極論どうだっていい。
思い入れのある人なら一生懸命フォローをすればいいし、そうじゃないなら忘れたらいい。
いちいち人の人生に入っていたらキリがない。
とにかくテレアポから始まり人を企業に打ち込む。これが人材会社の営業である。